加山又造展~生命の煌めき 2017 感想

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日本橋高島屋にて開催中の加山又造展へ行ってきました。
仏教嫌いの産経新聞などはまったく触れてませんでしたが(苦笑)、
加山といえば身延山久遠寺本堂の天井画『墨龍』のイメイジ。
しかし大型の水墨画は70年代以降の後期のもので、
初期は西洋近代絵画の手法を採り入れた実験的な動物の絵が多く、
多種多様な作品が楽しめます。
また初期~中期の展示作品の大半が個人蔵なので、
そういう意味でも貴重な機会になるかと思います。
(「生誕90年」と銘打っているので、次は恐らく10年後かと)

特にすばらしかったのはやはり中期以降、
1970年代後半から80年代に制作された自然を題材とした――
『月光波濤』や『夜櫻』、『淡月』など大作の数々。
写真以上の独特の美しさがある。写真はシャープ過ぎ、
かつまたすべてを描出してしまうため常に一面的であるが、
絵は淡いで、空間と存在するオブジェ(現象)ごとの境界が曖昧なため
離れて見ると世界が浮かび上がってくる。(近接して見ると仕掛けが見える)
写実的でありながら同時に余計な現実を排した幻想性も有するのが
加山の特徴と感じた。
その幻想性を不自然にしないため夜の場面が多いのではなかろうか。
(小品では背景を黒、白、青など単色のもの多く、日本画や水墨画も
やはり色彩だけの背景である。
逆にイデオロギィ性や隠喩のある初期作品では背景がそれなりに描きこんである)

炎や波しぶき、月に掛かる薄雲などの描写はただただ感動である。
『猫』なども毛で表現されているのがおもしろい。
『雪の朝』はわざわざ富士と言わない辺りが好印象。
先述の久遠寺の『墨龍』の四年後の作となる『龍図』はまさに
展示会のトリといった感じで我々を待ち受けていた。
(撮影不可のためチラシを紹介)

kayama02

私のように窓口でチケットを買って入る人はあまり見なかったが、
中は大盛況で、大半は高齢者、男女比はほぼ同じかと。
ただ昨年渋谷で観たクニヨシ・クニサダ展のように
人が多くてよく観れない作品を後回しにしても(いつまで経っても)
満足に見れず疲れて諦めるというようなことはなく、
一通りじっくり観れたかと思う。
物販は種類豊富で、ポストカードが人気なのは他の美術展と同様。
図録は108ペイジで1,500円
(年表の「社会・文化・美術関連」の項目にやや首を傾げるところがあるが)

東京は3月6日まで。『月光波濤』は東京のみの出展とか。
以降は、8月末に横浜、9月に大阪、10月に京都へ巡回の模様。
やっぱり、生はイイですね。

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